仕事柄、街を歩いているときに、販促や店頭の接客から
ブランディングやマーケティングのヒントを得ることがよくあります。

近くのセブンイレブンで買い物をしたときに、
店頭でこんなポスターを見つけました。

セブンイレブン夏の恵方巻

「夏の恵方巻」とありました。

僕は関東の人間なので、
節分に恵方巻を食べる習慣は全くありませんし、
数年前まで存在すら知りませんでした。

スーパーやコンビニが節分の時期に
販促プロモーションをかけて関東でも知られていきましたね。
(それでも食べたことは一度もありませんが)

一般的に知られてきたということもありますし、
8月に恵方巻を食べることもあるようなので、
「夏でも売っちゃおう!」とこの企画が出てきたのでしょう。

数年前に恵方巻が出てきたときも感じましたが、
今回はさらに売り手側の都合を感じてしまいました。

人が「何かを買う」という行動には、その人の中で必ず理由があります。
その理由とは「こういう問題を解消したい」
「こういう結果を得たい」などと、その人の心の中で起こるものです。
それ以外にも「こういう時期だから」「こういう季節だから」などと、
外からの理由もあります。

それはクリスマス、バレンタイン、ホワイトデー、
最近ではハロウィンなど季節のイベントごとをはじめ、
春で卒業シーズン、または新しいことが始まる季節だから、
夏は開放的なことをしたくなる季節だから・・・というもの。

その理由と(販促を含めた)商品が、人の心の中で結びつき、
「納得」となって「買う」という行動をしていきます。

恵方巻の販促プロモーションを始める際には、
季節のイベントとして当然こういうことが考えられているのです。

ただし、その季節のイベントを買い手側(お客様)が意識をしていないと
その商品に対しての違和感になってしまいます。
数年前に恵方巻のプロモーションがあちこちで行われたときに、
恵方巻を食べる習慣が全くない僕にとって、
「何かを売りたい」という、売り手側の都合や「売り込み」を感じ、
かなりの違和感として受けたのをおぼえています。

そして今回の「夏の恵方巻」です。
たしかに8月に食べる習慣がある地域もあるようですが、
僕にとってはその習慣は全くありません。
「なぜ今恵方巻を食べなきゃいけないの?」と疑問が生じますが、
それに答えてくれるものは、この販促では得ることはできません。

数年前からの節分の恵方巻の販促プロモーション以上に、
売り手側の都合、「とにかく何か売り込みたい」という意図を感じ、
かなりの違和感となってしまいました。
ということは、その商品を買うための「納得」が
自分の中に起こらないのです。

人は、説得のような売り込みでは動きません。
その人の心の中で「納得」をして、買うという行動をするのですから、
何かを売りたいという販促プロモーションでは、
売り手側の都合で理由を無理矢理つくるのではなく、
買い手側が納得できるような理由を教えてあげなければいけません。

セブンイレブンのような認知度の高い大企業では、
莫大な販促予算をかけて時間をかけて定着させるということもできますが、
認知度が低い中小企業や店舗などが、
何かを売るために新しい習慣を無理矢理つくろうとしても
成果に結びつくことはないでしょう。

こちらの都合で売り込むのではなく、
あなたのお客様が納得できるような理由を伝えてあげることが、
最も効果的に「売れる」という結果に結びつく
販促の戦略やツールのつくり方になっていくのですね。

ブログ記事が面白かったり役に立ったと思っていただけたら
ぜひ下のfacebookなどの共有ボタンで他の方にもご紹介くださいね^^ 


No related posts.