販促でお客様にアピールするメッセージは大きく分けて2種類あります。

それを利用しての良い結果や成功をイメージさせるか、それを利用しないことでの悪い結果をイメージさせるかです。

この2つは、その商品・サービスが「生活をしていく上で「できればあった方が良いもの」なのか、それとも「必ずといってよいほど必要なもの」なのか、どちらに当てはまるかで振り分けられます。できればあった方がよいものは良い結果や成功をイメージさせた方が反応が得やすく、逆に必ずといってよいほど必要なものは悪い結果をイメージさせた方が反応が得やすくなります。

 

スポーツクラブ販促

このポスターの画像は、僕が通っている24時間営業のフィットネスジムに貼ってあったものです。

「一人だと絶対に続かないから一緒に入ってくれない?」というキャッチコピーで、誰でもいいので複数での入会を促しています。
 
 

このポスターは何を伝えようとしているのでしょうか?

販促のスタート地点としては、一人よりペアで入会してもらった方がいいということになりますね。入会数を増やすのが目的になります。そこでこんなキャッチコピーができあがったのでしょう。目的はよいとして問題はこのキャッチコピーです。

「一人だと絶対に続かないから一緒に入ってくれない?」というキャッチコピーの元になっているのは、フィットネスジムやスポーツクラブは「そもそも続かないもの」ということが前提になります。なので多くの人は「どうせ入会してもすぐに行かなくなってしまう」「無駄になってしまう」と感じているはずなのです。

このキャッチコピーからのメッセージでは、見る人に「フィットネスジムやスポーツクラブは続かないもの」という潜在的に感じている(もしくはすでに意識している)ことを再認識させてしまう恐れがあるのです。

 

フィットネスジムやスポーツクラブは基本的にそれがなくても生活には支障ありません。こういうところに通う人は健康維持だけでなく、その先のもっと良い結果を求めているはずなのです。僕もそうです(笑)
ということは、このスポーツジムでは「それを利用しての良い結果や成功をイメージさせる」販促が適しているということになります。その先のもっと良い結果を強くイメージさせて、続かないかもしれない不安を忘れさせてあげるのです。

つまり、ィットネスジムやスポーツクラブに適した販促のメッセージとしては「このスポーツジムに通うとあなたの人生はこのような良い結果になる」というテーマで伝えることがアピールとして適しています。
ひねりを加えた変化球のテーマとしては、それを利用しないことでの悪い結果をイメージさせる方向性もありますが、その場合は「もし運動をしていないとあなたのこれからの人生はこのように不幸になる」と健康不安を煽るという方向性もあります。

ところが、このキャッチコピーでは、それを利用しての良い結果や成功をイメージさせることと、それを利用しないことでの悪い結果をイメージさせるかのどちらにも当てはまらない販促になってしまいます。単に「フィットネスジムやスポーツクラブは続かないもの」というマイナスな印象だけ持たれることになってしまうのです。人間は継続が苦手な生き物です。つまり「続かないかも」と思われるのは仕方がないことなので、それを超える成功イメージなどを伝える必要があるのですね。
 
 

フィットネスジムやスポーツクラブは、近年の健康志向の高まりから市場規模は大きいのですが、新規参入も多く業界としては激しい価格競争になっています。この僕が通っているフィットネスジムも、すぐ近くに24時間の競合フィットネスジムがいくつもオープンして会員が少なくなっているのがよくわかります。

競争が激しい状況の時こそ価格競争に走らずに、自社の特徴や販促の方向性を明確にしたアピールをする必要があるのですね。

 

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小澤歩(有限会社グレイズ)へのブランディングや広告・販促物企画デザイン、コンサルティング・アドバイスのご相談はこちらのお問い合わせからご連絡ください。

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