多くを語らなくても、相手の潜在意識に語りかけることで、その人は自分の中で理解をしてくれることってよくあります。NLPなどのコミュニケーション心理学でもそれらを上手に活用して、相手との信頼関係を築けるようなスキルがあります。

僕の提唱している『デザインの戦略』でも、あれこれと多くを語らなくても、相手に伝えたいことを伝え、購買につながる印象を持たれることができるのです。

以前訪れた渋谷ヒカリエ内の一角で、全国のギフト品を集めた展示会のようなものをやっていました。その入口にあったのがこれです。

販促コピーとデザイン

展示の告知ですが、販促的な意味もあります。

直接売り込んで、無理に納得させて購買させるよりも、相手が自分の心の中で判断をして納得するほうが、「買いたい」「ほしい」という購買行動を起こす理由になります。

 

あ の ひ と は
た ぶ ん 、喜 ぶ 。

 

この2行を余白をたっぷりとったデザインレイアウトで表現されています。

ここはギフト品を扱う展示会という前提があり、そこで「あのひとは」という言葉を投げられた人は、おそらくその人にとって「大切な人」を思い起こすはずです。この前提とこのたった一言だけで、大切な人に何かをあげるというシーンを想像することになるのです。

そして、「喜ぶ」という言葉で、大切な人を喜ばせるという結果を想像することができます。それは、このギフトを贈ったことでそうなるのだと、他には何も言わずに伝えています。

真ん中にある「たぶん」という言葉も効果的です。絶対にそうなるといわれると「本当か?」と疑いを持たれる場合もあります。「たぶん」という言葉を投げかけることで、そう思うかどうかは見る人の判断にゆだねることになります。

見る人が自分の判断でそう思うことによって、「喜ぶ」という結果がその人の心の中で絶対的なものになっていきます。そう思ったところで、売り込まれずに、自分の意志で「あの人に何か贈ろうか」と購買行動に結びついていくのですね。

デザインレイアウトにホワイトスペース(余白)を多くとっているので、あれこれ情報を入れることはありません。扱っているギフト品の写真やイラストを一緒に載せたくなるところですが、そうしてしまうと余計な思考が働いてしまうことがあります。あえて視覚の情報を少なくすることで、さらに見る人の判断を潜在意識にゆだねることができます。

コピーやデザインで、あれこれ多くを語らなくても、多くを語らなくても、相手の潜在意識に語りかけることで、納得し、購買行動に結びつく、シンプルでよい販促のデザインですね。

そして、こういったデザインは、対象になる人の設定、対象に見てもらえる場の想定や設計、その状況にあった媒体(ツール)などの、戦略的な思考があるから成果にむすびつくのです。

 

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小澤歩(有限会社グレイズ)へのブランディングや広告・販促物企画デザイン、コンサルティング・アドバイスのご相談はこちらのお問い合わせからご連絡ください。

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